第1章:若い女性が倒れていたのは「住宅のひさしの上」だった
1988年(昭和63年)8月23日午後2時ごろ、大阪府摂津市南別府町にある府営南別府住宅。
その4棟の階段東側、一階のひさし上で倒れている女性が発見されました。
通報を受けて到着した警察と救急隊により、死亡が確認されました。
死因は頸椎骨折(けいついこっせつ)──首の骨の折損であり、高所からの転落死である可能性が高いと見られました。
第2章:被害者の特徴と不可解な点
遺体は10代後半から20歳程度の若い女性と見られ、詳細な特徴は以下の通りです。
- 年齢:推定14〜20歳
- 身長:約160cm、中肉、面長、切れ長の目
- 髪型:長髪
- 服装:ピンク地に白縞の長袖シャツ、ジーンズの半ズボン
- 所持品:自転車の鍵1個、現金4,600円(細かく計算された金額)
この情報をもとに身元確認が進められましたが、警察には家族・学校・職場からの捜索願が一切届いていなかったのです。
第3章:「なぜ誰も探さなかったのか?」──捜索願が出ない若者たち
ご指摘の通り、未成年あるいは20歳前後の女性が死亡しているにもかかわらず、家族や関係者からの連絡が一切ないというのは、極めて異常な状況です。以下のような背景が考えられます:
① 家族との絶縁状態だった
家庭内トラブルやDV(家庭内暴力)によって、家出していた可能性。長期間行方不明でも、「もう帰ってこない」と家族が受け入れていたケース。
② 児童養護施設・里親などの非家庭的環境にいた
一時保護施設や施設退所後に、連絡先のないまま社会に出た未成年者の可能性。これにより、そもそも「探す人がいなかった」。
③ 違法就労・非正規滞在などの背景
未成年にもかかわらず、非合法な労働環境や性産業に関与させられていたケースでは、捜索願の提出そのものが避けられる傾向があります。
④ 外国人、または帰化手続き未了の無国籍状態
戸籍が存在せず、住民基本台帳に登録されていないため、公的機関との接点が一切なかった可能性も。
第4章:「高所からの転落死」か「他殺」か──事件性は?
死亡現場は1階のひさし上。通常の行動導線から考えて、この場所に偶然落ちるとは考えにくい位置です。
以下の3つのシナリオが想定されます:
▸ ① 自死の可能性
高層階からの飛び降りで、たまたま1階のひさし上に落ちたケース。
→ ただし、若年女性にしては服装・持ち物が“生活感”を帯びており、直前まで通常生活をしていた印象がある。
▸ ② 転落事故
住宅の上階に潜んでいた、または遊んでいた最中の誤転落。
→ だが、そのような目的で訪れる構造ではなく、さらに1人でいる点も不可解。
▸ ③ 他殺・突き落とし
上階から何者かに押された、または暴力の末に落とされた。
→ 身元不明・遺族不在という状況であれば、事件性が見逃された可能性も否定できません。
第5章:名前がなければ、何も始まらない
この女性は、名前がわからないがために、調査も追悼も社会的議論も進まず、ただ「身元不明女性の転落死」として処理されるおそれがあります。
しかし、彼女は:
- 何らかの事情で家庭と断絶し
- 働いていたのか、移動していたのか
- 最期はコンクリートのひさしの上で命を落とした
誰かの娘だったかもしれない。誰かの友人だったかもしれない。
たとえ誰にも探されなかったとしても、社会が記録し、覚えていることが「存在の証」になるのではないでしょうか。



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