千代川テトラポットに遺棄された損壊遺体──“誰かが隠そうとした男の死”の真相を探る

第1章:鳥取・千代川左岸のテトラポットで発見された遺体

1988年5月1日。
鳥取市晩稲(おくて)地内、千代川左岸の護岸下──波よけブロック(テトラポット)の上で、1体の損壊された男性の遺体が発見されました。

  • 年齢:50歳前後(推定)
  • 身長:約160cm
  • 着衣:なし(全裸)
  • 頭蓋骨:頭蓋底の一部のみ残存
  • 四肢:両腕の肘から先、両脚の膝から下が欠損
  • 所持金品:なし

その遺体は明らかに「損壊された形跡」があり、なおかつ所持品も完全に取り除かれ、個人を特定できる要素が一切ないよう処理されていたのです。


第2章:偶然そこにあったのか? それとも誰かが遺棄したのか?

テトラポットは海や川の波を打ち消すために設置される構造物であり、人が通常立ち入る場所ではありません。
しかも、その上に「遺体」があるという状況自体が極めて不自然です。

この点から考えられるのは:

▸ ① 自死や事故の可能性は極めて低い

  • 自殺でここを選ぶ動機が乏しい
  • 溺死によって漂着したにしては損壊箇所が限定的
  • 着衣もなく、財布・所持金等も皆無

▸ ② 意図的な“遺棄”の可能性が高い

  • 川辺や海辺の「人目につきにくい場所」に捨てられた
  • 身元を分からなくするために衣類や持ち物を排除
  • 身体の一部が欠損している=解体・破壊の意図を持った第三者の関与

このことから、何者かによって殺害された後、死体遺棄された可能性が極めて高いと見なされます。


第3章:四肢の一部がない──自然損壊か意図的損壊か?

特筆すべきは、以下の身体的損傷です:

  • 頭蓋骨は一部(頭蓋底)しか残っていない
  • 肘から先、膝から下が両側ともに欠損

この欠損が偶然によるもの(流木や波の衝撃)ではなく、刃物や機械などで“切断された可能性”があるとすれば、死体損壊罪や死体遺棄罪が成立する重犯罪となります。

また、全裸で発見されている点から、性別・年齢・民族的特徴などの外見による特定を恐れた可能性も。

つまり、この遺体は:

  • 「個人を完全に消去する」意図をもって遺棄された
  • そのために損壊・衣類の除去がなされた

という極めて意図的かつ計画的な痕跡を示しています。


第4章:なぜ未解決のまま、行旅死亡人として処理されたのか?

犯罪性が強く疑われながら、この事案は身元不明のまま火葬され、行政的には「行旅死亡人」として記録されました。

その背景には:

  • 身元を示す要素が完全に除去されていたこと
  • DNA鑑定や監視カメラなどの科学捜査が未発達だった昭和末期
  • 遺体の損壊と腐敗が進んでおり、外見的な特定が困難だった
  • 届け出や行方不明届が全国的にヒットしなかった可能性

結果的に、誰の関係者からも探されないまま“無縁仏”として火葬され、記録だけが行政文書として残されることとなったのです。


第5章:「見つかったが、誰にも気づかれなかった死」の記録

この遺体は、誰かに捨てられたのか。
家族も、友人も、知人も、誰一人としてその存在を探さなかったのか。

それとも、誰かが意図的に彼の存在を消そうとしたのか。

見つかったけれど、“誰”だか分からない。
気づかれたけれど、“誰も”彼を迎えに来ない。

そのような死が、私たちが暮らす現実のすぐ隣で起きていたということを、決して忘れてはいけません。


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